大阪市独自の補助金制度として、「大阪市住宅改修費給付事業(以下、高齢福祉の補助金)」というものがあります。

 “高齢福祉の補助金”とか“住宅改造”とも呼ばれており、介護保険の住宅改修の補助金を利用する際に、更に“追加で”バリアフリー工事の補助金を出すという制度です。高齢福祉の補助金よりも介護保険制度の補助金が優先されます。

 介護保険制度の住宅改修費補助金に比べると高齢福祉の補助金申請は書類が増えたり時間がかかったり、第三者の建築士の立会い審査が必要であったりと補助金利用の難易度は少々上がりますが、補助金額が上乗せされますので知っておいた方がお得です。

対象者

 大阪市内に住んでいる方で、介護保険料段階が第1~6段階で、要介護認定(要支援1,2、要介護1~5)を受けている高齢者のいる世帯

補助金額

高齢者の介護保険料段階によって異なりますので、下記表を参照ください。

                (抜粋:大阪市高齢者住宅改修費給付事業申請のしおり、大阪市HPより)

介護保険と高齢福祉の住宅改修の違い

高齢福祉の補助金工事対象となる部分は介護保険の住宅改修費の補助金と同じく、「手すり取り付け」「段差解消」「床材の変更」「引き戸への変更」「和式便器から洋式に変更」「付帯工事」です。

介護保険制度の住宅改修と高齢福祉の住宅改修異なる点は、「仕様を選べない」ということです。

介護保険の住宅改修では、例えば和式便器から洋式便器に変更する際、便器をタンクレスの最もグレードの高いものを取り付けても文句は言われませんが、高齢福祉の補助金は補助金の出どころが“市”であるため、チェックが厳しくなります。

ただし、高齢福祉の住宅改修であってもトイレを工事する際、床材はクッションフロアではなく、どうしてもタイル張りが良いというようであれば、補助対象額は「クッションフロア張り工事費分」で、「タイル施工費から補助金額を引いた分(差額)」を自己負担とする場合は可能です。

少々分かりにくいかも知れませんが、高齢福祉の補助金は補助対象となる工事費用はあくまでも「最低限の工事仕様」での工事費用です。

また、高齢福祉の住宅改修は対象範囲も詳細に決められています。浴槽を取り替える際にタイルを撤去する工事が必要ですが、「浴槽を取り外すために必要な範囲」のみが補助対象範囲となります。ですので、前面のタイル張替え費用は出ません。

そして、体の状態によっては工事範囲が少なくなったり、補助されないということもあります

高齢福祉の改修の場合、工事範囲が少なくなるというのは、利用者が「ここに手すりが欲しい」と思っていても、ケアマネージャーや療法士、市の職員などが「体が良い状態だからそこまで必要ない」判断したら、希望通りの工事はできないこともあります

以上の3点が介護保険と高齢福祉の住宅改修の大きな違いですので、利用の際はご注意ください。

申請が面倒だから教えて貰えないことも…

 リフォーム会社やケアマネージャーなどは高齢福祉の住宅改修補助金を利用者に教えないことも多くあります。

 高齢福祉の補助金は申請に時間がかかるため、それまで待てない(危ない)ということも理由にありますが、リフォーム会社であれば申請が面倒ということも挙げられます。

 介護保険の住宅改修であれば、家に伺い、体の状態や要望などを聞いたら、後は見積もりを出してOKであればそのまま申請を行います。申請をすれば当日か数日で工事着工許可が下りますので、スムーズに工事をすることができます。

 しかし、高齢福祉の住宅改修は事前申請を一度行い、家に市役所職員、第三者の建築士、ケアマネージャー、リフォーム会社、理学療法士等が集まり、工事の箇所・内容を決定します。

 その調査が終わるとリフォーム会社と建築士が見積もりなどの相談を行い、費用や仕様を決定していきます(勿論利用者様とも相談します)。工事範囲や対象範囲等が適正と判断されたらようやく工事申請を行うことができます。

 このように、高齢福祉の住宅改修は少々時間がかかりますので、「●●日に退院してくるから、●●日までに工事して欲しい!」や「この前お風呂の中でコケて、骨折したから、早目に工事して欲しい!」というような要望がある方は不向きかもしれません。そこは時間と費用との相談となります。


まとめ

  • 高齢福祉の住宅改修の補助金申請には時間がかかる
  • 高齢福祉の住宅改修は仕様や工事範囲が選べない。拘りたい場合はその分自己負担なら可能
  • 高齢福祉の補助金は申請が面倒だから教えてくれないこともある
  • 高齢福祉の住宅改修のことで困ったら、とにかく先ずはケアマネジャーに相談