大阪市で地震対策のための耐震診断をするときに利用できる補助金制度として、「民間戸建て住宅等の耐震診断・改修等補助制度」というものがあります。耐震リフォームを行う場合は必ず耐震診断が必要となります。

 また、「建て替え」か「リフォーム」かを検討する場合にも耐震診断を行う方も多く見られます。

補助金対象者・住宅

・大阪市内ある民間住宅で、居住中もしくはこれから居住しようとしている住宅(戸建て・共同住宅共通、必須条件)

・平成12年5月31日以前に建築された建物(戸建て・共同住宅共通、必須条件)

・店舗併用住宅の場合は、住宅の床面積が全体の半分以上の建物(店舗併用住宅必須条件)

・長屋・共同住宅

・違反建築ではない建物(増築・越境・建築面積違反など)

・市民税・固定資産税・都市計画税を滞納していない方(全建物必須条件)

補助金額

戸建て:45,000円

長屋・共同住宅:180,000円/1棟

耐震診断で現状の家の強さを把握する

 耐震診断の目的は「現状の建物の強さ、揺れ方、劣化などの状態を把握する」ことです。家の強さは「評点」という点数で表されます。(評点:「~0.69:倒壊する可能性が高い」「0.7~0.99:倒壊する可能性がある」「1.0~1.49:一応倒壊しない」「1.5~:倒壊しない」)

 診断はおおよそ2時間から3時間程かけて各室、小屋裏(屋根裏)、床下を調査します。

 その調査を基に図面を作成し、計算するのですが、昭和56年5月31日以前の建物であれば大概の住宅は悪い評点(0.2~0.4程度)となります。

 耐震診断を行った場合、昭和56年5月31日以前の建物であれば、8割程度の家が0.7未満(倒壊する可能性が高い)、1割程度が1.0未満(倒壊する可能性がある)という結果となります。

 また、平成12年5月31日以前の新耐震基準の建物であっても、6割程度の家が0.7未満、2割程度が1.0未満という結果が出てきます。

 それが当たり前なので、決して悲観しないようにしてください。また、その当たり前をあたかも「すぐ壊れる」ように恐怖心を煽る業者もいますので、そのような業者には要注意です。

違反建築でも目を瞑ってくれることも…

 基本的には違反建築の建物には補助金は適用されません。

 しかし、大きな声では言えませんが住宅の耐震化の意識が高い市区役所職員であれば大概は目を瞑って申請を通してくれます。

 登記上、図面上あからさまに整合性が無い場合や、外から見て明らかに違反建築であり場合は除きます。

 最も多いのが外部の洗濯機置き場や勝手口などに波板やテラスを設置していたり、駐車場にカーポートが設置されている場合です。この場合、建築面積違反となることがほとんどですが、このような家に対して「補助金を出しません」と言っていては耐震化が進みません。

 また、次いで多いのが雨樋などが境界線を越えているという越境です。こちらも「撤去しなさい」という職員よりも、目視で確認して「うーん…出てないですよね?大丈夫ですよね?ね?」とスルーしてくれることが多いです。(勿論大きくはみ出しているものはアウトです)

 市区役所側としては違反建築に対して補助金を出して、もしも周りの近隣住民から「違反建築でも国は補助金を出すのか!?」と問われると反論ができません。しかし、そのようなリスクよりも居住者の命を最優先してくれることが多いですので、違反建築の建物であっても補助金がでる場合が多いので一度相談されてもいいかと思います。

耐震診断の注意点

補助金を受けられる住宅の条件は冒頭の説明以外にもあります。それが、

「住宅に面する道路などの幅が2.7m以上であること」

「過去に国、大阪府、大阪市の同様の補助制度を活用し実施されたものでないこと」

です。「過去に国、大阪府、大阪市の同様の補助制度…」に関しては要注意です。

「大阪市の補助金と国の補助金は別でしょ?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、大阪市の耐震補助金には国費が含まれています。ですので、同じ出所の国の補助金を同じ工事で2回も利用できないということです。

しかし、ほとんど知られていませんが、耐震補強リフォームにおいては併用できる補助金もあります。

耐震診断業者選びは最も慎重に

 耐震診断を一度お願いしたら、設計・耐震リフォーム監理を担うのも基本的には同じ診断士(設計士)となります。

 たとえ設計費が高くても…たとえ提携しているリフォーム会社が高くても…たとえ工事監理費が高くても…後戻りはしにくいのです。

 後戻りはできますが、無駄な費用が発生しますので、補助金が使えるからと言って、耐震診断無料という言葉に釣られず、合計費用で考えるようにしてくださいね。


まとめ

  • 耐震診断は悪い評点が出るのは当たり前。決して悲観的にならないこと、決して恐怖心を煽られない事。
  • 補助金は違反建築でも少々は大丈夫。担当者によるが、日本の耐震化率向上のためなら黙認することも…
  • 大阪市以外の国の耐震補助金を使うほど損するものはない。大阪市No.1
  • 耐震診断士選びは最も慎重に!耐震診断無料には騙されないで。